今回は「エコネット上越」事務局長の藤田恵美子さんにお話しを伺いました。 |
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エコネット上越では、どのようなことをやっているのですか? |
一言で言うと、”循環型社会”を目指して活動しています。
物が循環するリサイクルなどは、「言葉ではよく聞くが、実際に物として見たことが無い」とか、「自分の生活の中にどうやって入れていったらよいかわからない」、「やらなきゃいけないし、良いことだと思うけど、誰かがやっていること」という認識が現状です。
そうではなく、「あなたの身近な物が、すぐにでもエコ商品にかえられるんですよ」とか「あなたの生活をチョットかえるだけで、環境にいい生活に変わるんですよ」というきっかけ作りができればよいと思っています。 |
活動を始めたきっかけは? |
エコネット上越の理事長である古澤良彰さんは、以前よりエコトピア上越として、自然環境に関する活動をしていました。
自然環境だけではなく、生活の中から、身近な所から変わって欲しいという思いがあり、これに賛同してくださる方々で活動を始めました。 |
現在のはどのような活動をしているのですか? |
上越市民プラザの2Fでは、世の中のエコ商品のほんの一部ですが、展示・販売をしていますし、新井の吉崎衣料店様に2坪ほど場所をお借りしています。また、新井のロクトー市(6と0の付く日の市)でも説明を行っています。新井の「いきいきプラザ」でも展示しています。
また、皆様からの「こんなエコ商品はないの?」という質問に対しても調査し、お答えすることも活動の一つだと思っています。これが私どもにとって勉強になりますので、是非「こんな物あるといいなあ?」という問い合わせをしていただきたいと思っています。
ほかにも、学習会を行っています。「市民環境学習会」、「子供向け環境学習会」、言葉は難しいですが「専門人材育成環境学習会」も、今年10月より開催いたします。一般の人が興味を持って学習することで人の輪が広がったり、プロの目で物がみれる方が増えてくれるといいと思っています。
また、行政のイベントのお手伝いなどもさせていただいたりしています。 |
エコ商品は、なかなか知る機会がないですよね?値段が高いことが原因でしょうか? |
コスト面から考えても、値段が高くなることは仕方ないと思います。
そういうリスクを、一般のお店はしょえないので、「エコ商品を置かない」→「一般の人たちが買えない、知らない」→「循環しない」という悪循環になっています。その中で、わずかなアクションですが、私どもが上越市民プラザで展示することで、見た方がお友達などを誘ってくれたら、輪が広がっていくのではないかと思います。
また、これからは企業の姿勢が問われる時代だと思います。ありがたいことに色々な企業の方が学習に来てくださっています。例えば、食品のトレイを重ねた場合、発砲スチロールに比べて紙にすると約4分の1くらいの量になるんです。つまり保管場所も4分の1になるんです。これはほんの一例ですが、このような視点から企業の方にも考えていただきたいと思います。
そしてこのような流れの中、私たち主婦の一番大事なことは、このような姿勢のお店を認めて、買っていくことだと思います。 |
エコネット上越では、どのような商品を扱っているのですか? |
大きく2つに分けられます。
ひとつは、「ペットボトル」「塩化ビニール」のリサイクル品などです。ペットボトルは洋服以外でも軍手としてリサイクルされていますし、廃材と合わせて丈夫な素材にしたり、プランターなどに変身しています。世の中で悪者とされている塩化ビニールにしても、燃やさない限り、リサイクルするには非常に加工しやすい物なんです。
もう一つは、成分解するもの(土に返るもの)です。とうもろこしの繊維で出来ている洋服など、使わなくなったあとでも地球にやさしい物を扱っています。
また、取り扱っている商品はどのように選んでいるのか、よく質問されるのですが、これはスタッフが使って感激・納得した物で、協力してくれるメーカーからの委託販売商品です。 |
これからの展望をお聞かせください |
何か買うときは「エコネット上越に相談してみようかな?」と、さりげなく、自然に思っていただけるようになりたいと思っています。最近は少しずつですが、学校教育の中で環境について考えるときに、相談や見学に来てくださることが増えてきました。実際に商品をお貸しすることもあります。
また、エコ商品について「こんな商品もあるんだよ」と教えていただけるとありがたいと思います。 |
上越地域の方に一言お願いします |
自分に対しても言えることなのですが、まず「物は買わない」ことが一番です。そして買うのなら「考えて買って欲しい」、捨てるときは「考えて捨てて欲しい」と思います。買うときには捨てることまで考えて欲しいということです。捨てるものを監視しなければならない世の中は悲しいと思います。 |
その他に何かありましたら |
環境のことは、続けることが一番大切です。無理しないで出来ることから取り組んでほしいと思います。意気込みすぎて「今日から環境に優しい人間になるゾ!」と考えても、きっと途中で息切れしてしまいます。少しずつ、自然に始めて頂きたいと思います。 |
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お忙しい中、快く取材に応じていただき、ありがとうございました。
主婦としての藤田さんの意見も聞くことができ、また取材の最後には「エコを追求しすぎるとエゴになる」という名言も聞くことができました。
正直、私は「環境よりも、財布の中身」です。環境に良くない物でも、同じ機能なら安いほうを買ってしまいます。ただ今回お話しを伺って、こんな私でも「チョット考えてみよう」という気になりました。
皆さんも無理をせず、出来ることから「循環型社会」について考えてみてはいかがでしょう。 |
取材日:平成13年7月27日 |