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特定非営利活動法人 木と遊ぶ研究所
〒943-0891 新潟県上越市昭和町1-6-2
Tel 0255-23-0365
Fax 0255-23-0838
URL http://www6.ocn.ne.jp/~kitoaso/
E-Mail kitoaso@rose.ocn.ne.jp
今回は「木と遊ぶ研究所」所長の相川明さんにお話しを伺いました。

木と遊ぶ研究所では、どのようなことをやっているのですか?
森林ボランティアだけでは山はよくなりません。そこで4つの柱をつくり、調査をしたり、研究をしたりしています。

1つ目は「森林ボランティア」活動です。人工林整備・自然林整備・都市緑化に取り組んでいます。

2つ目は「調査・研究・提言」活動です。産地認定シール事業や、ウッドストック組織化、市民雑木市場、越後府中作事組の組織化、研究員制度などに取り組んでいます。

3つ目は「啓蒙・啓発・開発」活動です。各種木工教室、森林環境教室、住まいの学校などに取り組んでいます。また市民プラザでは森の教室を委託運営しています。

4つ目は「受託・収益事業」です。森林教育のプログラムを作ったり、調査したり、実行したりなど役場ではできないことを委託され行っています。
「森林ボランティア」では現在どのような活動をしているのですか?
まず、人工林整備では新井市の上小沢の集落のスギの人工林を借りて間伐などをやっています。
自然林整備では来年オープンする市民の森、この奥にある鏡ヶ池までの散策道をボランティアで造っています。この散策道はコンクリートなどを一切使わない、自然のままの散策道です。自然のままなので「春になると壊れてしまった箇所をまた造る」という作業の繰り返しになりますが、あくまでも自然のままの散策道にこだわっています。
都市緑化では石橋「風の砦公園」つくりのサポートをしています。
「調査・研究・提言」では現在どのような活動をしているのですか?
まず、シール認定事業を行っていますが、この事業の視察に全国から色々な方が視察に訪れます。これは「この材はどこで採れたのか」を認証するシールで1枚500円で、家具を購入する人が負担しています。そのお金はウチに入ってきますが、森林基金として貯めておき、植林の苗になったりする予定です。

他にもウッドストックという協同組合をコーディネートしています。これは、間伐材を利用するための異業種による集まりです。現在、間伐材は市場に出回っていません。それは売れないからです。しかしその一方、地場の材を使いたい人もいるのです。そこで今回、川上から川下までの木にかかわる人たちで協同組合をつくり、ようやく申請することになりました。これが出来ると、材が流れる仕組みが完成します。材が流れるということは山から木を切り出すわけですから、山が守られるということになります。特に人工林は間伐しないといけないのですが、山の持主が自己負担で行うので、なかなかできないのが現状です。
この仕組みによって間伐材が流れ、間伐が進むと人工林が生き返るということになるので、これを上手く完成させたいと研究しています。
(間伐材:森の木が健康に育つように、途中で育ちの悪い木を間引きしていく。この時に切り倒された材木のことだが、20年程度育っているものは柱などにも使うことができる)

市民雑木市場では、月1回丸太を輪切りにして販売しています。現在、材木にはならない材は、間伐した後は山中で腐らせている場合が殆どです。これは搬出コストがかかるためです。こういう材を市民に提供しています。しかし、現在は利用方法(庭のイスやガーデニングなど)に限りがあるので、チェンソーをつかって板材にするための機械を購入する予定です。他にも板材にレーザーで字を彫る機械がありますので、これを利用してなにかできないかと模索中です。

「越後府中作事組」では、リタイヤしてしまった大工さんなどの職人さんを組織化し、地場材を活用する方法を考えていきたいと思っています。

「研究員制度」では、ボランティアだけでは解決できない課題を追求しています。
「啓蒙・啓発・開発」活動では現在どのような活動をしているのですか?
各種木工教室では、端材(板材にした時の余った木)を使った工作を。森林環境教室では講義と共に実際に森に入り、間伐を体験してもらったりとアプローチはそれぞれ違いますが、最終的には森の環境を知ってもらうことを目的とした活動をしています。
良い森というのは、青々とした森のことですか?
青々としている森がいいわけではないんです。
外から見ると素晴らしい森に見えるかも知れませんが、外側の草木が森のマントの役目をしてしまい、森の中の空気は流れないし、光も差し込まないので、森としてはいずれ死に絶えてしまいます。一度でも人間が手をいれた森は、常に手をいれるしかないんです。
森を守りたいからといって、ほっておけばいいわけではないんです。
森林ボランティア活動を始めたきっかけは?
私は元々は東京でフリーの編集者たっだんです。家内が上越出身だったので、家族を上越に残し、3年単身赴任していました。毎週土日の東京との往復に疲れ、上越で働くことを決め職安で転職先を探したところ、協同組合ウッドワークで事務局長を募集していました。
それまでは木のことは全く知りませんでしたが、全く知らない場所で知らないことをやりながら作り上げていく面白さが魅力で、この仕事をを選びました。当時は夜間FAXを使って東京の仕事なども行っていました。
ウッドワークの仕事をしている中、建具屋さんが乾燥したいい木の端材を捨てたり燃やしたりしているのを見てもったいないと思い、仕事の傍ら、子供たちに使ってもらおうというボランティアを始め、木を使いながら、森のことを教えたり、自分で勉強したりしていました。
この時の端材からどんどんと考えていった結果、森にたどり着いたということなんです。
だから法人名が「木と遊ぶ研究所」なんです。森林ボランティアらしくない名前ですよね。実際にホビー関係のNPO法人と勘違いされるかたも多いようです。
最近の出来事で何か印象的なことはありましたか?
今年、妙高赤倉で全国規模の建築家が集まる場をウチも共催でやることになり、建築家と実際に間伐の講座を行いました。
いつもは、男性がメインで、女性がサブだったのですか、今回は女性をメインにしました。
メインになった女性は、必死に話し方や実技を猛練習しました。これが機会で、女性の意識が急激に高まりました。
これからの展望をお聞かせください
アメリカのシアトルのNPOでの調査レポートでは、スーパーマーケットの駐車場などを緑化することでゴミ捨てがなくなった、車へのイタズラがなくなった、結果売上が上がったというものがあるそうです。
この調査レポートをさらに研究し、大手スーパーなどに提案していけたらと思っています。

またインターンシップを利用して大学生をインターンとして受け入れることができればと考えています。ただ、県外の大学生などの場合、住居の問題などがあり現在研究中です。
上越地域の方に一言お願いします
森に入って見ませんか?
森が荒れているとか、世界的温暖化と言われていますが、森林に入れば感じることができます。ボランティアなんてしなくてもいいです。やる気になればゴミを拾うだけでも立派なボランティアです。
森に入ってみれば森から教わることがたくさんあります。特にブナ林などは心が落ち着きます。不思議に素直な気持ちになります。
今、森に入る機会なんてないんじゃないですか?
森に入って、人間と言うのは、もっともっと森に近かったんだよというのを感じて欲しいです。

そこで、皆さんが同じ事をするわけではなく、自分が出来ることを感じてもらえればいいと思います。ボランティアはしないけど、定期的に森にきて気持ちを休ませるだけでもいいです。そうすれば、大きな意味では森を知ることになるので、広義ではボランティアにつながると思います。
ボランティアは皆が同じことをする必要はありません。いつでも、自分の意志で行え、ボランティアに参加して楽しめる仕組みが作れればいいと思っています。

お忙しい中、快く取材に応じていただき、ありがとうございました。
森林の事だけでなく、色々な事が聞けて、楽しい取材ができました。(ページの都合上、掲載できない内容もありましたが、お許しください)
今回取材をさせていただくまで、森は青々していれば「良い森」だと思っていました。でもそういう訳ではないんですね。また、市民の森近くに、すばらしいブナ林があるなんて知りませんでした。今度是非行ってみたいと思います。
私もボランティア活動の場への参加はしなくても、森に行った時にゴミ拾いくらいはできます。いつまでも自然豊かな上越であることを望む一人として、出来るときにやれる事を考えたいと思います。

取材日:平成13年10月11日


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